tomsuma alt. in Tokyo / Children of Earth
トムスマ・オルタナティブとのコラボレーションワークです。 2011年3月11日、東日本を大地震が襲い、大都市東京にもまだどことなく沈んだ空気が漂っていた4月。被災地では、まだまだ混乱した状況がありながら、被災地以外には、あまり情報が伝わってこない状況がありました。テレビのコマーシャルですら自粛されました。マスコミそのものの混乱が街の景観や経済不安にも広がっていたように思います。 私が関わる仕事も制限があり、日本全体を漂う不安と緊張が家族にも忍び寄っていました。 トムスマ・オルタナティブ展用に撮影した息子の写真は、放射能汚染を避けるためのマスクをつけて、てのりごちさんをしている姿を自宅で撮影しました。 甚大な被害があった被災地の方々への想いから、イベント等は自粛ムードが広まり、ネオンが溢れる都心部の夜景も電力不足の懸念から、節電のために照明が落されて、東京の人間が経験したことのない暗い夜が続きました。 このような中、多くの日本人は被災した人たちを応援する気持ちと亡くなった方達へ鎮魂の想い、同時にそれぞれの今までの人生、暮らし方について深く反省の念とこれからの生活について深く考察をしていたのです。 震災によって与えられた心境の変化を私は今もはっきりと感じています。 震災前から、トムスマ・オルタナティブのCAMARADAでのEXHIBITIONへの写真作品提供参加の準備をトムスマ・オルタナティブと進めていた私は、4月の開催について彼女から相談を受けていました。 「平成バカラシー運動」を進める彼女は、自身のアートがこのような状況の中で不謹慎と受け取られないか危惧していたのです。 しかし、トムスマのアートの根源には、笑いを通じて人を幸せにするものがあることを知っていた私は、自粛せずに開催することを薦めました。この時期であるからこそ、更に深い意味があると私は感じていたのです。 そして、この展示は見事にトムスマ・オルタナティブのメッセージを伝えることに成功を収めたのです。 このことは、この時期に開催を決断したCAMARAのgallery館長のキタムラ タマキ氏によるところも大きいとも感じています。 この掲載作品、tomsuma.alt in Tokyo/Children of Erthは、2011年4月3日からCAMARADAでの展示開催期間中、トムスマ・オルタナティブと共に東京を闊歩した記録であります。私は、その時の東京の街をトムスマ・オルタナティブをあちこちへ連れ回し撮影を行いました。 代々木公園でゲリラ的におこなったお点前では、多くの人が興味を引かれて集まってきてとても愉快な体験でもあり、トムスマのライブパフォーマンスを体現した作品となりました。 桜咲く季節、地球の形の帽子=トムスマハットをかぶって、お点前をする人々は、まさに文字どおり、地球の子ども達でした。悲しくても苦しくても、おかしくても、僕らは地球に生まれたChirdlen of Earthなのだとこれらの写真を見て私は思うのです。